コロナ禍の状況でおうち時間が増えましたよね。それに伴い、「ペットを飼ってみたい!」と思う方も増えたそうです。
もちろん、「文鳥を飼ってみたいなぁ」という方もたくさん増えたと思います。しかし、「飼いたい」という気持ちだけでは飼育が難しいのが文鳥なのです。
ですので、これから文鳥を飼ってみたいと思っている人へ向けた「基本マニュアル」を作成してみました。このページを読むだけでも、文鳥がどのような鳥なのかを理解でき、「自分には文鳥を飼育することができるのか?」といったことが分かるかと思います。

まずはこのページを読んでみて、文鳥について知ってくださいね。
また、周りの人で「文鳥を飼ってみたい」という方がいましたらぜひこのページをシェアして教えてあげてください。
文鳥ってどんな鳥?生体を知ってみよう

野生の文鳥はインドネシア(ジャワ島・バリ島)に主に分布していると言われています。(アメリカだとハワイにもいます。)
体長14センチ前後、体重約22~25グラムの小さな鳥です。美しいさえずりと羽を持ち、様々なカラーの種類がいます。
寿命は7年前後とされていますが、個体差があります。体の弱い子は1年未満でも亡くなってしまいますし、逆に15年以上生きたという話も聞きます。
文鳥の種類(色について)
文鳥には色々なカラーの子がいます。

文鳥のカラー
- ノーマル文鳥
- 桜文鳥
- 白文鳥
- シルバー文鳥(ライト・ダーク)
- シナモン文鳥
- クリーム文鳥(クリームイノ)
- パイド(ごましお)文鳥
- 頬黒文鳥
- アゲイト文鳥

我が家のシルちゃんはダークシルバー、サクたろうは桜文鳥です。
同じ桜文鳥でも、頭に白い羽がたくさん混じっていたりと個体差があります。
文鳥は年に2回ほど換羽(かんう・もしくはトヤとも読む)します。羽にツクツクとした筒状の針のようなものができ、それが割れて中から新しい羽が出てきます。
文鳥を飼うために必要なもの
- 文鳥が過ごすためのケージ
- 餌と水(入れる容器も)
- 菜挿し
- 水浴び用の容器
- ペット用ヒーター
- 必要によってはおもちゃ
最近のケージは餌や水入れ、とまり木などもセットになっているため、ケージを購入すれば文鳥を飼育するのにある程度必要な一式を揃えることができます。
ここで盲点なのが、ペット用ヒーター。この先でもご説明しますが、文鳥はとっても寒さに弱い生き物なのです。

もともとジャワ島のような暑くて湿度も高いところに分布していたのだから、寒いのは苦手なんだね
特に日本の冬の寒さは文鳥にもこたえます。ヒーターがないと命を落とす可能性が非常に高くなってきますので、「ヒーター無し=死」と極端に考えてもらっても良いでしょう。
また、文鳥はきれい好きな鳥です。水浴びが大好きなのです。
浅めの容器か専用バードバスに、文鳥の脚の付け根あたりまでの水量を入れておいてあげましょう。(かなり水が飛び散りますので、バスタオルを敷いておくと良いです)
与える餌と注意点
- シード類
- ペレット類
- 菜っ葉類(小松菜やフリルレタス、豆苗など)
- ボレー粉などの栄養補助類
シード類とは、穀物種子のことです。「あわ・ひえ・きび」など聞いたことがありませんか?基本的にはこのシード類が文鳥のメインの食事となります。
シードの殻を器用にくちばしで剥いて中身だけを食べるので、一日に数回は殻を吹いてあげる必要があります。「たくさん餌が入っているように見えて、実際は全部殻だった!」ということを防ぐためです。(100均のパソコングッズコーナーにあるエアブローポンプがおすすめ)
シードだけでは栄養が偏りますので、小松菜や豆苗、ボレー粉なども与えましょう。

我が家では色々なシードを試してみていますが、最近はこちらの「ナチュラルラックス」がお気に入りです。
気温・湿度
文鳥はとにかく寒さに弱い生き物です。よって、ヒーターは必ず購入してあげましょう。
温度(おんど) | 20度〜30度 |
湿度(しつど) | 40%~60% |
20度〜30度というのは振り幅が広く、ケージ内とケージ外(人間の部屋)とでも違ってきます。しかし20度以下、または30度以上という極端な寒さ・暑さにならなければ文鳥は生きてゆけます。
日本の季節で言えば「春」のようなポカポカした気候をお部屋の中でも目指すようにすると、文鳥は快適に過ごせるでしょう。
文鳥は寒いと羽を膨らませて、縮こまります。逆に暑すぎると、くちを開けてハァハァとします。

湿度も気をつけなきゃいけないの??
文鳥には湿度もとても大切です。これも極端な数値でなければ文鳥は生きてゆけますが、「湿度が低いゆえに起こる病気」もありますので、40%~60%くらいを保てるようにしましょう。

「加湿器がないよ!」という方は濡らしたタオルをハンガーにかけたり、コップに水を入れてケージの横に置いてあげたりするだけでだいぶ違いますよ
寝る時間・起きる時間
基本的に野生の鳥というのは、日が落ちると活動しなくなり、日が昇ると活動し始めます。文鳥も同じです。
しかし人間と暮らしていると、このスケジュールがなかなか難しいです。例えば夏場だと早いときで17時前には暗くなっていきますが、その時間に部屋も暗くしろとは無理なものですよね。

できれば20時前後までにはケージ内を暗くしてあげると良いでしょう。昼夜逆転を避ければそこまで神経質にならなくて大丈夫です。
ケージ内を暗くするためにおすすめなのが、ケージ用のおやすみカバーです。中が遮光になっているのでケージ内を暗くすることができます。
また、いくら暗くても音があると気が散ってしまいますので、暗くて静かな部屋に夜だけケージを移動するというのも良いでしょう。
人間の寝る時間 | 23:00~7:30くらい |
文鳥を寝かせる時間 | 21:00~7:30くらい |
文鳥を寝かせる部屋 | 人間の寝室 |
ケージの掃除の頻度と方法
- 餌の殻を吹いて飛ばす・または全部捨てて取り替える
- 飲み水・水浴び用の水は毎日必ず換える
- ケージトレイ(底から引っ張り出せます)に溜まったゴミを捨てる・または敷いた新聞紙を取り替える
ケージ内の掃除はできれば毎日行います。
また月に一度はケージを水洗いすると清潔ですが、このとき洗剤は使わないようにしてください。(お湯とスポンジのみ)

特に飲み水は汚れやすいので、一日一回と決めずに、汚れていたら換えてあげましょう。
文鳥の放鳥時間について
「鳥は鳥かごに入っている」というイメージが強い方もいらっしゃると思いますが、一生ケージの中に入れっぱなしでは可哀想です。
文鳥は一日一時間以上は放鳥させてあげましょう。つまり、ケージから出してお部屋の中を自由に散歩させてあげるのです。
放鳥時の注意点
- 窓が開いていないかチェック(放鳥前に必ず注意しましょう)
- 放鳥中に火を使った調理などは控える
- 文鳥が口にして欲しくないものは片付ける(人間の食べ物など)
- 放鳥中はドタバタ走り回らない、常に文鳥がとこにいるか確認する
- ところかまわずフンをするので、お気に入りのものはカバーをかけるか、どけておく
放鳥時は必ず上記の点をチェックしましょう!
良く聞くのが、放鳥中の文鳥を踏んでしまったり、ドアに挟んでしまったりという事故です。そうなってしまったらとても悲しいですよね。文鳥はとても小さいうえに、飛ぶだけでなく床を歩いたりもします。「文鳥を放鳥しているときはずっと座っている!」くらいの気持ちで、常に注意しましょう。
文鳥のしつけについて
鳴き声はうるさいの?しつけできる?
文鳥はオスとメスで鳴き方に違いがあります。
文鳥のオス | チヨチヨ、ポピポピ・・、ピチューイ!など |
文鳥のメス | ピッ、チッなどの単音が多め |
オスも単音(チッなど)で鳴いたりもしますが、生後半年ほどで歌の練習を始めます。(ぐぜりと言います)成鳥になるとチヨチヨピポポポ!などのようにオリジナルソングを歌うようになります。メスを惹き付けるためなんですね。(求愛ソングとも言います)
逆にメスは単音で鳴きます。チッチッなど可愛らしい声で鳴きますが、発情期になると「キャン!キャン!」と小型犬のような耳をつんざく鳴き方をすることもあります。

文鳥の声ってうるさいの?アパートで飼ったらやばいかな?

文鳥の声は比較的静かなので、よっぽど壁の薄いアパートなどでなければ苦情も来ないでしょう。
ただし、メスは発情中のキャン!という声が少しうるさく感じるときもあり、オスに至っては成鳥になると毎日歌います。また、飼い主に構ってもらいたくて呼び鳴き(ピッピッピッピ!!と鳴き続ける)こともあります。
また、文鳥は「チッ」だけでなく様々な鳴き方をすることができます。
飼い主に構ってもらいたいとき(呼び鳴き) | ピッピッピッピ!(しつこく続ける) |
嬉しいとき | クック・・(ククク) |
寂しいとき・甘えたいとき | きゅ〜〜じゅう〜〜 |
怒っているとき | キャルルルルル!!!(口を大きく開けて威嚇する) |
危険を感じたとき | ギャー!、またはゲッゲッ・・など |
文鳥の鳴き声を注意深く聞いていると、色々な鳴き声があることが分かってきます。こういった鳴き声を「どんなときにどんな鳴き方をするのかな?」と研究するのも、文鳥を飼う楽しみのひとつとも言えるでしょう♪
フンはどのくらいするの?トイレのしつけはできる?
文鳥のフンのしつけはほぼ100%できないと思ってもらって良いでしょう。
文鳥などの鳥類は、飛ぶために常に体を軽く保ち続けています。よって、餌を食べたらなるべくすぐにフンとして排出し、すぐに飛び立てる体にしておくことによって外的から身を守っているのです。

インコなどの大型の鳥は「インコ用おむつ」などをつけている子もいますが、文鳥におむつはNGです。
お気に入りのものはあらかじめ文鳥が行けない場所へ保管するのが吉です。
文鳥の多頭飼いについて
文鳥は一匹で飼ってあげると人間に非常によく懐くとされています。ですが、複数で飼うことももちろん可能です。

実際に我が家でもシルちゃんとサクたろうの2匹、実家には11羽もの文鳥がいますからね〜
飼い方 | 愛情傾向 | 生活傾向 |
---|---|---|
1匹飼い | 飼い主をパートナーだと思いこむ | 人間にとてもよく懐く |
多頭飼い | 他の鳥とペアになったりする | 鳥同士でつるむようになる |
一匹飼いか多頭飼いかでは上記のようなスタイルの違いも出てきますので、注意しましょう。初めて文鳥を飼うのなら、まずは一匹で飼ってあげるのがおすすめです。
文鳥の発情期はいつ?
文鳥は主に秋〜春が発情期とされています。つまり、夏の暑い時期以外ですね。
文鳥のオス | 求愛ソングを歌う、ピョンピョンと跳ねてダンスする |
文鳥のメス | キャン!キャン!と激しく鳴く、尾っぽをブルブル震わせる |
メスは飼い主に発情することもあります。オスがいなくても無精卵を産むこともありますが、やたらめったらに産むと「卵詰まり」や「卵管脱」といった病気にもなりやすくなるため、発情させない工夫も必要です。

一説には、多少のストレスを意図的に与えてみるそうです。例えばケージ内の模様替えを定期的に行ったり、餌の種類を変えてみるなどです。
また、背中を撫でるのを辞めたり、ツボ巣などの狭くて暗い場所や鏡を無くすのも有効です。
近場の動物病院を調べておこう
文鳥を飼う前でも飼ったあとでも、動物病院のリサーチは常にしておくことをおすすめします。その際には、ぜひ「鳥専門の動物病院」を探しましょう。
日本には鳥専門の動物病院は非常に少なく、あったとしても近場とは限りません。ただし、大きな病気をしたときに的確な診断をしてもらえる可能性が高いので、「遠くても場所くらいは知っておく」ことが大切です。

文鳥などの小動物は、病気になっても「病気じゃないよ!」というフリをします。自然界では、病気=狩られるからです。
さらに文鳥などの小動物は、弱ってから死に至るまであっという間なのです。弱ってから小動物病院を探しても手遅れになることが多いため、日頃からリサーチしておくことがおすすめです。
下記のような感じでメモを作っておくと、いざと言うときに役立ちます。特に、病院までにかかる時間と地図は下調べしておきましょう。1件だけじゃなく、2~3件調べておくとより安心です。
動物病院の名前 | ○○動物病院 |
動物病院の場所(アクセスも書く) | ○○県○○市xxx (電車で△駅まで45分くらい) |
動物病院の電話番号 | xxx-xxxx |
どのような動物をみれるのか? | げっ歯類・小鳥など |
診察(受付)時間と定休日 | 10:00-19:00火曜日定休 |
緊急時の対応について | 緊急時は000-0000に電話 |
いわゆる犬猫専門の動物病院はおすすめできません。必ず、小動物(願わくば鳥専門)がみれる病院を探しましょう。
病院へ連れて行くときに必要なもの
- 虫かごや鳥用のキャリーケージ
- ケージに被せられる大きさの布やタオル
- ホッカイロか、携帯用電気カイロ、湯たんぽなど保温器具
ホッカイロは密閉空間で使うと文鳥にとって有毒になりますので、虫かごやキャリーケージの外側に貼り付け、被せる布も少しだけ隙間をあけてください。
餌は食べやすいようにバラまいて入れ、水はこぼれるので入れないようにしてください。(体が濡れて体温低下に繋がります)
文鳥に多いとされる病気は?
- 卵詰まり(メスのみ)
- 卵管脱(メスのみ)
- 肝臓肥大
- 脚弱症(雛のときの栄養問題が主な原因)
- そのう炎(雛に多いとされる)
文鳥は寒さに弱いので、部屋が寒いと弱ったりもしますし、また換羽の時期はとても体力を使うのでぐったりとすることもあります。
常に羽を膨らませていたり、寝続けたりしているのは病気が原因かもしれませんので、獣医さん相談してください。

文鳥の適正体重は22~25グラム程度とされています。常に体重を計っておくと病気のときに役立ちます。
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文鳥のここをおしえて!Q and A
文鳥の飼い方のまとめ
上記で説明してきたことを、表に簡単にまとめました。
カラー | 主流は桜・白・シルバー・シナモン・クリーム |
寿命 | 7年前後(個体差あり) |
発情期 | 夏以外 |
餌 | シード類(穀物種子)あわ・ひえ・きび・カナリーシードなど 小松菜や豆苗、ボレー粉なども必要 |
適温 | 20~30度(湿度は50%前後)寒さに非常に弱い |
放鳥 | 一日1時間以上を推奨 |
就寝時間 | 10時間前後(20時前後〜7時前後までのあいだ) |
掃除 | 飲み水は毎日・餌は殻を吹いて飛ばす |
しつけ | フン・鳴き声ともに不可 |
長期留守 | 24時間以上は基本的にはできない(ペットホテル推奨) |
今回のまとめ
文鳥はとても可愛いですが、デリケートな生き物でもあります。ただ食事や掃除の世話をするだけでなく、放鳥やおもちゃなどで触れ合って遊ぶことも必要です。
困ったことがあったら獣医さんに相談するか、「獣医さんに相談するレベルではないけど・・・」と思った疑問はインターネットで検索するか、それでも解決しない場合は、私で良ければ答えられる範囲で質問にも受け付けています。
このブログでは、今後も文鳥に関する情報をお伝えしていきますので、チェックしてくだされば幸いです(^^)

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